稲作やめました。

今日の作業は田んぼの草刈り。

今までお借りしていた田んぼをお返しするのできれいに片付けています。

 

わたしの農園では去年までは稲作をしていましたが今年からやめることにしました。

うちは畑作が主なので、そちらに集中しようというのが理由です。

 

今までは「農家なんだからお米をつくらないと!」という気持ちで続けてきましたが、自家消費分程度でしたので手作業で田植えから稲刈り、はざかけまで行ってきました。

しかし全てを機械抜きでやるのはとても大変。労力的なことはもちろん、田んぼの大事な時期には畑の大事な時期も重なってしまうので尚更です。

今の稲作は、昔のように人手を頼りにする代わりに機械を使います。それがないということがこんなに大変だったのか、ということは実際にやってみて身に染みました。

 

では代わりに機械を使えば良いじゃないかと思われるかもしれませんが、これもまた大変なのです。今度は別の理由で。

 

トラクターやコンバインはそもそも高価で、さらに爪や刈り刃などの部品を交換したり、メンテナンスなどの手間もかかります。

ある程度の規模でやるなら元はとれるかもしれませんが、自家用程度だとかける手間と対価がとても釣り合いません。 

しかもトラブルが発生すると全てが機械頼みなので全ての仕事がそこで止まってしまい、主力の畑の仕事が割りを食ってしまうことにもなりかねません。

その辺りのバランスを試行錯誤した結果が「稲作をやめる」という決断でした。

 

 結果的にどうなるかはこれから判断することになると思いますが、恐らく自分にとってこの選択は正解だっただろうと思います。

今の時点で既に、今までやりたくても出来なかったことに時間が割けることがはっきりしてきて気持ち良いのです。

これまでは何でも自分でやらなければと追い込んで来ましたが、最近は人それぞれ役割があるのではないかと思うようになりました。

わたしにとってはそれが畑で、お米はおいしく上手に育てる役割を担っている方から譲ってもらえば良いかと考えています。

 

「稲作をやめる」ことに決めた理由は実はもうひとつあります。それは農家以外の方で稲作に挑戦する人が増えてきていることです。

わたしの身の回りにもたくさんいて、個人で、あるいは仲間同士でお米づくりを楽しんでいます。時にはおすそわけをいただくことも…。

 

有機農家として独立した頃は「俺が日本の有機農業に一石を投じるんだ!」ぐらいの気持ちがありましたので自分がやらないなんて考えられないという感じでしたが、身の回りでこうも田んぼを楽しむ人たちが増えてくると、「まあわたしがやらなくてもいいか」という気持ちになってきたのです。

ちょっと前までは考えられませんでしたが、そう思わされる程に田んぼや畑が多くの人たちにとって身近になってきています。

こういう人たちが増えることが世の中に増えていくことが、世の中を良い方向に持っていく原動力になるのではと感じています。

であれば半ば義務感にかられて続ける必要は無いよなあと思ったら「やめる」という選択肢が浮かんだのです。 

 

話が飛躍し過ぎかもしれませんが、これから日本で広がっていく耕作放棄地問題すら解決する糸口がここにあるんじゃないかと今は思っています。やっぱり「楽しい」が一番です。

 

みなさんも機会があればお米作りに挑戦してみてくださいね。ひとりも良いですが、みんなでやるともっと楽しいですよ。

わたしもまた機会が巡ってきたら、その時は楽しみたいと思います(^_^)