温度と土、体

今日の作業は踏み込み温床の解体作業。

 

踏み込み温床とは、寒い時期に野菜の苗を育てる場所の事ですが、その熱源として落ち葉の発酵熱を利用します。

落ち葉を発酵させるのに微生物の力を借りるのですが、彼らの生命活動自体がそのまま熱となります。そして彼らが活動しやすい条件をつくるために必要な作業の1つが、足で落ち葉を踏みつけること。だから踏み込み温床という名前がついています。

 

今、温床の中には去年踏み込み温床に使った落ち葉が堆肥化して残っており、もう発酵熱を期待することはできないのでそれは外に持ち出し、新しい落ち葉で踏み直す準備をしています。

 

堆肥化した落ち葉の中には今年も例年のようにカブトムシの幼虫がウジャウジャ。落ち葉がたっぷりあり、彼らが繁殖をするには最適の場所だからです。傷つけずに作業するのがもう大変。

それにしても今年のカブトムシの幼虫たちは深い場所にばかりいて浅い場所にはいません。これは恐らく今年の冬の厳しい寒さが影響していると思います。

 

この冬は各地で大雪があり、気温もとても低い年でした。わたしのいる地域の古老たちも「こんなに寒い年はない」と言っているほど。

わたしにも厳しい寒さの記憶はありますが、それはあくまで数日の話。今年ほどの連日の寒さは記憶にありません。

ちょっと前にわたしの体調不良についての記事を書きましたが、その要因のうちの大きな1つとして寒さがあると考えています。

 

人間社会での寒さ、あるいは暑さはさほど問題になりません。多少「暑いな」「寒いな」と感じることはあっても冷暖房設備という文明の利器がありますのでコントロール出来ますから。

しかしそれがない自然界では大変です。数度の温度変化が生死を分けたり、環境に影響を及ぼす例はいくらでもあります。

この冬は極端な寒さの年ですが、野菜の値段が高いのもその影響の現れの1つでしょう(他にも要因はあります)。

 

わたしの住んでいる家は古い家で隙間も多く、断熱性も気密性もあまりよくありません。

暖房を切ると室内温度はどんどん下がり、外とあまり変わらなくなるので室内での格好は外出時と変わりません。

今まではそれでもなんとか耐えてきましたが、今年はどうやらその限度を超えてしまったようです。

 

それを証明するような出来事がありました。

 

ある時ふと思いついて寝具を変えてみました。敷き布団、掛け布団共に倍の厚さにしてみたのですが、その途端悩まされていた背中の痛みが嘘のように楽になったのです。

 

なるほど、と思いました。

 

それまでは内蔵が弱っていてその影響が背中に出ているんだと考えていましたがそれだけではなく、寒さで体が縮こまって緊張し、その疲労からの痛みでもあったんじゃないかと気付かされました。

寒さで筋肉が疲労し、また内臓の機能も落ち、それなのに負担のかかる食生活を送ってしまい、内外からのダメージが体調不良に繋がってしまったのではないかと今は考えています。

頭では温度の影響力のことを知っていたつもりでしたが、これまでにないくらい深い実感を伴っていろんな意味で身に染みました。

 

この体への影響はそのまま畑にも置き換えられます。

作物の生育にも温度の影響はとても重要な要素です。

気温はもちろんのこと、地温をどう高めるかということも大事で、良い土づくりは地温を高めることに繋がります。

地温が高まると微生物の活動も盛んになり、作物の成長に大きく寄与してくれます。

これも人体と一緒ですね。

 

この冬は体にも経済的にもとても苦しい冬となりましたが、そのお陰で実感を伴った深い学びが出来ました。

やることはあまり変わりませんが、この学びが軸となり自信となり、新たな挑戦へと背中を押してくれている気がします。

そろそろ今期の種まきも始まる時期ですが、今まで以上にワクワクしています(*´∀`)

 

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温床の中から現れたカブトムシの幼虫